ネット上では「マイホーム購入額目安は年収の6倍」などの情報がありますが、そのまま鵜呑みにして予算を決めるのは怖いですよね。
具体的な返済可能額から予算を決める方法を紹介します。
計算方法はシンプルです。
家の購入予算 = (毎月の支払可能額 x ローン返済期間)+ 頭金
※ローン返済期間は月数
それぞれの項目を説明します。
毎月の支払可能額
毎月の家関係の固定費用は1~4の合計額です。
他の費用(水道光熱費、食費、保険、車のローン、奨学金返済、貯蓄など)も計算して、いくらまで家関係の固定費を支払うことができるか計算しましょう。
1.ローン返済額
元金と利息を合わせた額をローン返済額とします。
ローンの返済方法には2種類ありますが、とりあえず計算をしやすい元利均等返済で予算を決めましょう。
・元利均等返済(毎月の返済額は一定。返済期間が同じの場合、返済総額は元金均等返済より高い)
・元金均等返済(毎月の元金の返済額が一定。元金を元に利息を計算し、ローン初期の返済額は高く徐々に減っていく)
2.管理費・修繕積立金
マンションの場合は、毎月支払いが必要です。
3.駐車場代・駐輪場代
マンション内の駐車場でも、近隣で借りるより格安の場合や、あまり変わらない場合があります。
また、平面と機械式で値段が異なり、機械式でも上階の方が安いことが多いです。
自転車も、一台あたり年間200円のところから、何台までは無料でそれ以上はいくらの場合があります。
4.専用庭使用代
マンションによっては、1階についている専用庭や、上階でも広いテラスがついている場合、それぞれの使用料が必要な場合があります。
ポイント
毎月のローン返済額は絶対に余裕を持って設定しましょう。
途中でローン返済額を少なくするには、ローンの借り換えやローン返済期間延長の手続きが必要です。
余裕ができた場合は、ローンの繰り上げ返済をしたり、投資や貯金に回せば良いだけです。
また、子育てや介護により時短勤務をした場合は、年収が減ることがほとんどだと思います。
時短勤務している期間も負担なく支払うことができる範囲で設定することをおすすめします。
子育て世代は、今後必要になるであろう習い事や教育の費用を、別途積み立てるか、もしくはそれらの費用が毎月の支出に上乗せになっても問題ないかを確認しましょう。
ローン返済期間
2点から、ローン返済期間を検討しましょう。
1.返済開始年齢
2.いつまでに完済したいか
返済期間を決める要素にする必要はないと思いますが、返済期間が短い場合のメリットはあります。
途中で返済できなくなるリスクは低いと思います。35年より15年の方が、相対的に期間中に起きるライフイベントを予想しやすいためです。
また、返済期間が短いと、同じ金額を長期間で返済する場合と比べて、利息の支払総額は少ないです。
頭金
まず、ローンを組む際、頭金を支払うことは必須ではないです。
今は金利が低いので、頭金を支払わない選択もありかと思います。
支払う場合と支払わない場合、私が思うそれぞれのメリットとデメリットを【利息総額・手元資産・投資機会】の3点で挙げます。
前提条件として、いずれも返済期間は同じとします。
●頭金を支払う
・メリット
利息総額が少ない。
毎月の返済額を低く設定することができ、余裕を持てる。
・デメリット
手元資産が少なくなる。
投資機会が少なくなる。
ポイント
頭金を支払う場合は、無収入になっても家族で数カ月間は暮らせるだけの現金、もしくはすぐに現金化できる資産は手元に残しておきましょう。
●頭金を支払わない
・メリット
手元に資産を置いている安心感がある。
頭金に充てなかったお金を投資に回せる。
・デメリット
利息総額が多くなる。
毎月の返済額が高くなる。
ポイント
頭金に充てなかったお金を投資に回すことにより、金利より大きい利率で運用できれば、結果的に資産はプラスになります。特に低金利時代は、投資に回すことを検討するメリットが大きいと思います。
ただし、投資は元本割れの可能性がありますので、リスクを許容できるかを慎重に検討する必要があります。
利息総額については、金利が高い場合の方が、より大きな差になります。
逆に、低金利時代はそこまで大きな差にはなりません。
※(参考)ローン返済額・利息総額は下記サイトで自動計算できます
https://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644
リンク先:ke!san 生活や実務に役立つ計算サイト
例えば、金利1%・返済期間30年・元利均等の場合、借入額が5000万円と4000万円だと、利息総額は150万円の差です。
30年間で150万円の差ですから、年間5万円の差です。
まとめ
家のローン返済は長期間におよぶことが多いので、購入予算については堅実に検討しましょう。
検討する中で、日々の生活費を振り返るので、併せて見直しもできればさらに良いと思います。